【相談員】現役支援相談員による、老健への就職を勧める理由3選

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皆さんこんにちは。複業するフクシです。

本業は介護老人保健施設における支援相談員ですが、複業ソーシャルワーカーというスタイルを目指し、福祉に関する情報発信をしています。

前回の初ブログでは、介護施設の相談員の仕事内容総論、のような内容でお伝えしました。

今回のブログでは、実際に介護老人保健施設で支援相談員として働いている私が、老健で相談員として働くメリットをお伝えします。

就職先に迷っている学生さんや、転職を検討している方など、参考にしていただけたらと思います。

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在宅復帰を一緒に喜べる

あなたは仕事をする上で、同じ職場以外の方と喜びを共感できること、ありますか?

老健では、あります。その最たる例が、在宅復帰です。

老健は要介護度1~5と認定されている高齢者が一時的に入所し、自宅で再び生活することを目標に生活を送っていただく施設です。「自宅と病院の中間施設」なんて呼ばれたりもしますね。

在宅復帰率が50%を超えている施設は国も評価しており、介護保険の基本報酬が高く設定されています。(細かくは他にも要件がございますが…)

しかしこの在宅復帰率という数字、当該月における入所者のうち在宅復帰した入所者の割合のことではありません。老健から退所した方のうち、死亡した方を除き自宅などへ退所し在宅系サービスを受けるようになった方を指します。

例:A施設は入所定員が100名。とある月にA施設で生活した方は、120名です。合計15名の方が退所しましたが、亡くなった方が3名、在宅復帰した方は6名です。この場合、在宅復帰率の計算は6÷120=5%となるのではなく、6÷12=50%となるのです。

なお令和元年介護サービス施設・事業所調査によると、2019年における老健の平均在所日数は309.7日で、老健から退所された方のうち退所先が自宅である方は約36%だそうです。(出典:介護サービス施設・事業所調査 43 介護保険施設の退所者数-平均在所日数,施設の種類、入所前の場所、退所後の行先別   | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp))

どうでしょうか。老健から実際に在宅復帰できる方はそんなに多くはない、ということがご理解いただけましたでしょうか。

そうした中でも、自宅へ退所でき併設するデイケアセンターへ笑顔で通っている様子を見ることができるのは、とてもうれしい瞬間です。

そしてその喜びを共有できるのは、本人やご家族だけでなく、もともと担当していたケアマネジャーさんやデイサービスの職員などです。サービス担当者会議で「ひさしぶり~」「おかえり~」なんで声が聴けるのは、やはり嬉しいものです。

また、自施設併設のデイケアセンターに通っていただけると、日々の様子も感じ取ることができます。それは相談員だけでなく、現場の職員もです。在宅復帰した様子を現場職員と共有でき、さらに在宅復帰できる人に対して職場全体として支援していくことは、老健としてとても良い流れでしょう。

様々な方と繋がれる

高齢者が老健に入所する前に過ごしていた場所は、病院、自宅、障害者施設…など様々です。

病院も、急性期だけでなく回復期、療養、精神科など、病態によって異なります。

入所をする場合にはもともと生活していた場の相談員やケアマネジャーなどから紹介を受けることが多いため、必然的に各事業所の相談援助職や計画作成担当者とやり取りすることが多くなります。

特に近隣の総合病院や回復期病院の相談員、そして中学校区内の居宅介護支援事業所のケアマネジャーとは、会話する機会を意図的に増やすことをお勧めします。

また入所していた高齢者が在宅復帰した時には、自施設併設のデイケアセンターやショートステイの利用を勧められると良いでしょう。

地域の中で横のつながりを意図的に作り出し、地域で高齢者を支える、その一端を自身が務める老健が担うことができたら、なんて素敵なことではないでしょうか。ソーシャルワーカーとしてはやはり、色んな方とのつながり、大切にしたいですよね。

施設運営に携わることができる

老健における相談員の役割は、非常に大きいです。

支援相談員の業務のメインはベッドコントロールです。

ベッドの稼働率は施設の収支に直結します。職員の配置体制は満床時がベースになっているかと思いますので、空床が多くなれば多くなるほど人件費率は高くなってしまいます。

また現在の報酬体系上在宅復帰をする方が多いほど、施設の保険収入は高くなります。

ただ空床を埋めるだけでは老健としての収入は上がりません。定期的に利用者が在宅復帰できるよう支援をする…といっても実際に現場で支援するのは看護師や介護員、理学療法士等なので、在宅復帰にむけて適切な舵取りをすることが相談員には求められるかと思います。

言わずもがなですが、老健入所後のゴールを決めるのは利用者本人とご家族で、多職種が協働してゴールに向かえるよう相談員には調整する力、いわゆる潤滑油的な役割が求められています。

そして、在宅復帰する方がいることを見据えて入所の調整をする、という先を見通す力も必要かと思います。

以上のように、施設において収入を得るという観点から考えると支援相談員の役割は大変大きいです。力が認められれば、将来的には大きなポストが見えてくるかもしれません……

おまけ

皆さんはケアマネジャーの受験資格をご存じでしょうか。

医療・福祉系の国家資格を所持している方は、その職務に5年以上かつ900日以上就くことで受験資格を取得することができますが、介護老人保健施設で支援相談員を5年以上かつ900日以上経験することも、ケアマネジャーの受験資格を取得することができます。

社会福祉主事任用資格しかお持ちでない方や、全くの無資格の方も、ケアマネジャーの受験資格を得ることができますので、今後のキャリアを考えた場合にも老健で相談員を行うことは良い選択肢かと思います。

いかがでしたでしょうか。

介護老人保健施設は、地域で暮らす高齢者とそのご家族にとって介護環境を調整するためにキーとなる施設であると考えています。その役割を内外に知ってもらうことこそ、ソーシャルワークなのではないか、と私は日々感じながら働いています。

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