【書評】ビターエンドロール1巻

書評
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こんにちは、複業するフクシです。

介護施設で相談員として働きながら、福祉に関する情報発信をしています。

今回は、MSW=医療ソーシャルワーカーが主人公の漫画、「ビターエンドロールについての書評です。

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MSW=医療ソーシャルワーカーとは?

MSW=医療ソーシャルワーカーは、社会福祉士国家資格を持つ人にとって人気のある職種の一つです。

この漫画は、そんなMSWとして働き始めた主人公が様々な患者と出会い対応していく様子を描いております。

病院を題材にしたドラマや漫画作品は今までも多くありますが、その大半は医師や看護師といった医療職が主人公でした。

またソーシャルワーカーや社会福祉士を主人公としたメディアは少ないですが、最近だと生活保護のケースワーカーを主人工都市、女優の吉岡里帆さんが主演した「健康で文化的な最低限度の生活」が有名ですね。

フクシのMSW経験

私は以前、療養病床でMSWとして勤務したことがあります。

わかりやすい言い方をすれば老人病院で、そのほかの病床での治療が終わったけどまだ医療的な処置が必要な方(維持透析や酸素療法、癌に対する麻薬を使った疼痛緩和、など)が入院し、大半の方が穏やかに最期を迎えていただくための場です。

一方今回の主人公が務めるのは一般病床を持つ総合病院で、簡単に言うと救急車の受け入れをしている病院です。漫画やドラマなど、病院を題材にした作品の多くが総合病院を舞台にしていますね。

私自身は総合病院でのMSWの働き方がわかりませんが、共通している部分はあり大変参考になりました。

感想

ビターエンドロール1巻を読んで感じたのは、寄り添うということがどういうことか、とその重要性です。

対象者に寄り添う

福祉従事者には、対象とする利用者に対し寄り添うことを求められています。

では「寄り添うとは何か」というと一言では言い表せませんが、この漫画の主人公は患者一人一人に対して寄り添おうとしている様子がうまく描写されています。

患者のありのままの姿を受け入れ、共に患者の将来のことを考え、患者の自己決定を支えております。

「ケースワークの原則」という本があります。

私は、社会福祉士等ソーシャルワーカーがバイブルにすべき本の一つだと認識しております。いわゆるバイステックの7原則というものですね。

先述の感想の中には、その7原則の中の「受容」および「クライアントの自己決定」が含まれています。

ソーシャルワーカーにとって一回一回の面接時間は長く設けることはできませんが、その短い時間の中でこの7原則に沿って面接をしていることが、この漫画からはうかがい知れます。

面接場面で泣くことは是か

バイステックの7原則には、「統制された情緒的関与」というものがあります。

この原則によると我々ソーシャルワーカーは、自分自身の感情を自覚しながら面接に挑む必要があります。

この漫画では、主人公が面接場面において泣き感情をあらわにする場面が何度も見られます。

しかしソーシャルワーカーは、一対一で挑む面接場面において、「泣く」という行為がクライアントに対してどのような影響を及ぼすかを考えながら面接をしなければなりません。

その証拠にSV(スーパーバイザー)である先輩MSWも、主人公が泣いたときには咎めようとした様子が描かれていました。

まぁこの辺りは、今後の主人公の成長に期待、ということでしょうか。

ちなみにですが、泣くこと自体が駄目だとは思いません。

私は面接場面で泣いたことはありませんが、感情が揺さぶられたことは何度もあります。

泣く以外の手段を使い、自分の思いを伝えるようにしています。

読もう!ビターエンドロール

さて冒頭でお伝えしたように、ビターエンドロールは現在アフタヌーンにて連載中です。

この漫画をきっかけに、多くの人がMSWという職種を知っていただけますように。

病院で働く人が、病気を治すだけでなくその後の生活を支える人もいる、ということが広く周知されますように。

社会福祉士の、ソーシャルワーカーの認知度が高まることを願って。

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