何でも屋ではない!施設相談員の独自性と専門性とは

支援相談員
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こんにちは、フクシです。

先日Twitterでしたあるツイートに対し、支援相談員の大先輩からこんなリプライをいただきました。

相談員の独自性と専門性とは何なのか。

kitakyu@社会福祉士さんから課題をいただいたように感じましたので、深掘りしていきます。

  • 施設相談員としての仕事に行き詰っている方
  • 他職種から「何でも屋」のように扱われている方

などなど…

ぜひお読みいただき、ご自身の働き方を見つめなおしてみて下さい。

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支援相談員とは

まずは私自身の仕事、支援相談員について説明します。

支援相談員とは、介護老人保健施設=老健における相談員を指す職種です。

主な業務としては、

  • 老健への入所を希望している本人やご家族と面談をする
  • 老健からの退所を希望している本人やご家族と面談をする
  • 入退所の支援において、病院の相談員や地域のケアマネジャーと連携をする
  • デイケアやショートステイにおいて、ハイエース等の送迎者を運転する
  • 入所希望者を増やすための営業活動を行う

などがあります。

その他にも外線に出たり受付業務を行ったり、私の場合は簡単な修繕業務も行ったり…と仕事内容は多岐にわたるため、「何でも屋」と称されてしまうのも事実かと思います。

しかし、施設の相談員はその施設において唯一の【ソーシャルワーク専門職】ですので、そこに独自性と専門性を見出すべきだと思います。

施設相談員の独自性とは

まずは施設相談員の独自性から考えていきましょう。

独自性の意味

施設相談員の独自性を定義する前に、独自性の意味を確認します。

独自性とは、他にはない固有のもの。独自の要素

「独自性(どくじせい)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

他の職種ではできない仕事、やらない仕事、相談員だからこそできる仕事に、独自性があるということでしょう。

相談員独自の仕事とは?

多くの職種が働く介護施設において、相談員が独自に行う仕事。それは、

入所の申し込みをする本人およびご家族との初めての面談

です。

  • 本人やご家族にとって、施設の人間と最初に話をするのは相談員
  • 本人やご家族の、今後の生活に対する意向を確認できるのは相談員
  • 本人やご家族の今後の意向を、職員に周知共有できるのは相談員

ということになります。

施設相談員の専門性とは

続いて施設相談員の専門性について、です。

専門性の意味

専門性についても独自性と同様に、まずはその言葉の意味から確認します。

特定の分野についてのみ深く関わっているさま。高度な知識経験を要求されること、またはその度合い。「専門性が高い職種スキルを磨く」などのように用いられる

「専門性(せんもんせい)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

相談員が持つ高度な知識や経験、相談員が持つスキル、そこに専門性がある、ということですね。

相談員が専門的に行う仕事とは

相談員は、介護施設におけるソーシャルワーク専門職です。

したがって、相談員の専門性はソーシャルワークにこそある、と言って良いでしょう。

ではソーシャルワーク専門職のグローバル定義について、おさらいです。

ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知(※1)を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける(※2)。

この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい(※3)。

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義|日本ソーシャルワーカー協会 (jasw.jp)

※しっかり確認したい方は、引用元のリンクをご参照ください。

施設相談員ができることは限られていますが、

  • 入所を申し込みに来た方の生活課題を一緒に確認する
  • 確認した生活課題を施設内の様々な人と共有できるよう働きかける

ことで、ウェルビーイングを高められるよう支援ができます。

そして利用者一人一人に向き合うことは、地域に対して施設の存在意義を知ってもらう良いきっかけになります。

ソーシャルワークがミクロからメゾへと繋がる。

ここにも、相談員の専門性としての価値があります。

「何でも屋」ではいけないのか!?

記事のタイトルとは逆説的に、「何でも屋」ではいけないのか、ということも考えたいと思います。

「何でも屋」とは?

 日用雑貨の類をひととおり売っている店。よろずや

 何でも引き受ける人。また、何をしてもひととおりできる人。引き受ける人。

「何でも屋」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

2番の項目の、「何をしてもひととおりできる人」という表現は素敵ですよね。

では施設における何でも屋とは、どんな人物を指すのでしょうか。

介護施設の何でも屋

  • あなたの施設のコピー用紙は、誰が補充していますか?
  • あなたの施設の外線対応は、誰がしていますか?
  • あなたの施設では、誰が車椅子の空気を入れていますか?
  • あなたの施設では、雑務を専属で行う人はいますか?

いかがでしょうか。

少し表現を変更します。

  • あなたは、コピー用紙がどこにストックしてあるか知っていますか?
  • あなたは、外線に出ることができますか?
  • あなたは、車椅子の空気を入れることができますか?
  • あなたは、率先して雑用を行いますか?

雑用を制する者は仕事を制す

という言葉もあります。

雑用を行うことで、施設内のどこに何があるか把握でき、施設にとって必要なものを知ることができます。

したがって、何でも屋になる必要はありませんが、雑用はある程度こなせることが重要です。

独自性と専門性を発揮して、相談員としての地位を確立しよう!

それでもやっぱり

何でも屋にはなりたくない!!

えぇ、存じています。

われわれはあくまで相談員、ソーシャルワーク専門職です。

職場内での相談員としての地位を確立するには、先ほどの独自性と専門性を高めることが重要です。

  • 施設の顔として、申込者とそのご家族が一番初めに接するのは相談員である
  • 代弁者として、入所者とそのご家族の意向を職員に周知できるのは相談員である

ことを自覚して、日々仕事に取り組むようにしましょう。

また独自性と専門性を高めることと同時に、他職種をリスペクトすることも重要です。

他職種とうまく連携す・協働するることもソーシャルワークにおいては必要です。

ぜひ意識をしてみて下さい。

そこに、介護施設における「何でも屋」ではなく相談員としての独自性と専門性を高め地位を確立する術があるはずです。

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