【映画】PLAN75を高齢者介護に携わる社会福祉士が見た感想【レビュー】

レビュー
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満75歳を超えたら、安楽死を選択できる制度ができた世界。その様子を描いた映画が、「PLAN75」です。

こちらの記事では、介護保険分野で働く社会福祉士が、映画「PLAN75」をレビューします。

私は今まで、多くの高齢者の生活と死に携わってきました。

身体的には健康な状態で安楽死を選ぶことができるという今回の映画の設定は、とても感情を揺さぶられるものでした。

一見の価値ありですので、ぜひ私のレビューを参考にしながら、ご覧いただけたらと思います。

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PLAN75は、死生観について考えることができる映画

あなたは75歳になった時、安楽死したいですか?

あなたは、安楽死することを選択した高齢者を支えることができますか?

PLAN75が描く世界では、75歳を超えると安楽死をするかそのまま生き続けるか、を選ぶことができます。

近年「ACP」や「DNAR」という言葉が浸透されてきて、自身の終末期の過ごし方について考える方が増えてきたと感じています。

私自身高齢者の医療や介護という終末期に携わる仕事をしてきて、

「どういう状態でもいいから何が何でも生かしてほしい」

という方より

「苦痛なく自然に過ごしたい」

という方々と多く接してきました。

(それでも一部のご家族は、本人の意思を汲まず何が何でも…とおっしゃりますが、、、)

私自身も、高齢者となったら最期は自然の流れに任せたいと感じています。

しかしPLAN75の描く世界では、生き抜くことではなく死ぬことを選ぶことができるのです。

超高齢化社会において、現役世代に迷惑をかけることなく人生を全うできるのです。

「迷惑をかけるくらいなら」と自ら死を選ぶ高齢者と、その高齢者を支える若者の心境の変化を見ることができる。

衝撃作

と言われる所以は、ここにあるのです。

PLAN75の、ここがおススメ!

ここからは、PLAN75をおススメする具体的な理由をお伝えします。

PLAN75のおススメ度

PLAN75のおススメ度は、

★★★★☆

です!

フィクションであるはずなのに、俳優陣の感情の変化を表す演技がとても良く、現実の場面を見ているようでした。

特に社会福祉士の方や、介護に携わる方にはぜひご覧いただきたいです。

PLAN75のここがおススメ! ※ネタバレあり

PLAN75では、ナレーションや字幕を使って状況を説明をする場面がほとんどありません。

場面の切り替わりや登場人物の心情の変化は、俳優陣の演技によってしかわからないのです。

私は普段支援者として仕事しているため、今回見た映画「PLAN75」でも支援者の心情の変化を特に注目して鑑賞しました。

PLAN75で支援者として登場するのは、主に

  • PLAN75の申請窓口を担当する市役所職員
  • PLAN75が実行されるまで利用者をサポートをするコールセンターの職員
  • PLAN75が実行される施設で利用者を介助する職員

の3名です。

特に私が気になったのは、サポートセンターの職員である成宮瑶子。

支援者としては利用者に寄り添わなければならないけれど、近づきすぎることは良いことなのか、とても考えさせられました。

PLAN75では、自分で命の選択をする ※ネタバレあり

PLAN75で一番考えなければならない点は、PLAN75を利用するということは自分で自身の命を終わらせる決断をする、という点です。

  • 自殺とは何が違うのか
  • 現役世代の負担を減らすため
  • 10万円の使い道

といったあたりが、ポイントとなってくるでしょう。

PLAN75を利用すると自由に使える10万円をもらえるのですが、この点は「高齢者一人の命の金額が10万円なのか」という議論がわきそうです。しかしそういった問題ではない、と私は考えています。

PLAN75とはどんな映画か?

簡単に、PLAN75という映画について紹介します。

PLAN75のあらすじについて ※ネタバレあり

75歳以上が自らの生死を選択できる<プラン75>。
この架空の制度を媒介に、「生きる」という究極のテーマを
全世代に問いかける衝撃作が誕生した。

少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる
当事者である高齢者はこの制度をどう受けとめるのか?若い世代は?<プラン75>という架空の制度を媒介に、人は何を選択し、どう生きていくのかを問いかける作品が誕生した。

映画『PLAN 75』公式サイト (happinet-phantom.com)

主人公であるミチは、夫と死別した独身で身寄りのない高齢者。

収入が少ない中、突然仕事を解雇され…身体的には元気であるにもかかわらず、今後どう生きることができるのか。悩むことになります。

友人が「孫の為に」プラン75に申し込むと聞き、ミチもプラン75を申請することに。

窓口で対応したのは、プラン75のやり方に疑問を抱いているヒロム。

そんなヒロムのもとには、長く音信不通であった叔父もプラン75の申請に来ます。

プラン75では、申請後からコールセンターの人間がサポートすることとなります。

ミチのサポートについたのは、瑶子。瑶子はミチとのやり取りの中で、次第に情が移っていき…。

PLAN75の出演者は?

角谷ミチ:倍賞千恵子

 →PLAN75の主人公。ホテルの客室清掃員だったが、高齢を理由に仕事を解雇されPLAN75への申請を決意する。

岡部ヒロム:磯村勇人

 →PLAN75の申請窓口を担当する市役所職員。窓口を担当しながらも、PLAN75という制度に疑問を持つ。

成宮瑶子:河合優美

 →PLAN75のサポート業務を担当するコールセンターの職員。ミチのサポートする中で情が移り、PLAN75に疑問を抱くようになる。

マリア:ステファニー・アリアン

 →国に夫と子を残して出稼ぎに来ている介護職員。仲間から勧められ、より給料の良いPLAN75の関連施設で働くようになる。

PLAN75はどうやって視聴できる?

PLAN75のDVD発売予定日は、2023年4月26日となっております。

現在はAmazonプライムビデオで独占配信中されており、そのほかのNetflixやfuluといった動画視聴サイトでは公開されておりません。

Amazonプライムビデオなら、登録から30日間は無料でPLAN75を視聴することができます。

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【まとめ】PLAN75はおすすめできる映画です

日ごろから高齢者やそのご家族と多くかかわってきた社会福祉士の目線として、PLAN75についてレビューしました。

実際にPLAN75が施行される未来は想像できませんが、生きるとは何か、について改めて考える機会ができた良い映画でした。

私のように福祉に携わる人間のみならず、色んな方にご覧いただければと思います。

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