こんにちは、複業するフクシです。
介護老人保健施設=老健で相談員をしていると、ケアマネさんやご家族から

農業が忙しいので、1か月くらいショートステイを利用したいです
と相談をいただくことがあります。
しかし、
ちょっと待った!
利用したい日数など条件によっては、老健へ入所した方がお得な場合があります。
- 住環境に合わせてリハビリを行える!
- 自宅へ戻った月はサービス利用数を増やせる!
と、老健への短期間入所はメリットが多い!?
お勧めする理由を、お伝えします。
ショートステイとは
ショートステイとは在宅サービスの一つで、様々な理由により自宅での生活が困難な要介護者が、一時的に施設に宿泊するサービスを指します。
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
の2種類のサービスがあり、前者の方が安いですが、後者にはリハビリの提供があります。
短期入所生活介護とは
一般的にイメージするショートステイは、短期入所生活介護といいます。
ショートステイ専門施設である単独型、特養や老健など介護保険施設に併設されている併設型、介護保険施設などのベッドに空きがあるときに利用できる空床利用型の3種類があります。
利用する部屋のタイプにより料金は異なりますが、多床室と呼ばれる大部屋タイプの施設は安く、ユニット型などの個室を利用する場合は高くなります。
基本報酬は以下のようになっています。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
単独型 | 638 | 707 | 778 | 847 | 916 |
併設型 | 596 | 665 | 737 | 806 | 874 |
単独型ユニット型 | 738 | 806 | 881 | 949 | 1017 |
併設型ユニット型 | 696 | 764 | 838 | 908 | 976 |
短期入所療養介護とは
短期入所療養介護とは、医療型ショートステイとも呼ばれているサービスです。
介護老人保健施設や介護医療院といった、医師が配置されている施設に宿泊することができます。
ただし空床利用タイプで、入所者用のベッドに空きが無いと利用できません。
またリハビリを含めた医学的管理が可能なため、基本報酬は高く設定されています。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
基本型従来型多床室 | 827 | 876 | 939 | 991 | 1045 |
基本型従来型個室 | 752 | 799 | 861 | 914 | 966 |
在宅強化型従来型多床室 | 875 | 951 | 1014 | 1071 | 1129 |
在宅強化型従来型個室 | 794 | 867 | 930 | 988 | 1044 |
基本型ユニット型個室 | 833 | 879 | 943 | 997 | 1049 |
在宅強化型ユニット型個室 | 879 | 955 | 1018 | 1075 | 1133 |
どれくらい利用できるのか
介護保険では区分支給限度基準額というものが定められており、基準額の範囲内であれば自己負担は1割(または2,3割)で利用することができます。
※基準額を超えても利用はできますが、超えた分は全額自己負担となります。
在宅サービスがショートステイのみの場合、月で利用できる日数の目安は以下の通りです。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
区分支給限度基準額(単位) | 16,750 | 19,705 | 27,048 | 30,938 | 36,217 |
短期入所生活介護利用目安(日) | 17 | 20 | 28 | 30 | 30 |
短期入所療養介護利用目安(日) | 13 | 15 | 20 | 21 | 23 |
実際にはデイサービスや福祉用具のレンタルも利用していると思うので、もっと利用できる日数は減ってしまいます。
またそもそもではありますが、ショートステイは30日を超えて連続で利用することができません。
老健への入所を考えよう!

では老健への短期間入所とは、どういうことでしょうか。
そもそも老健とは
老健=介護老人保健施設は、自宅で生活することに不自由を感じている方が一時的に入所し、再び自宅で生活することを目標としリハビリをしながら生活する施設です。
施設入所というと「ずっと入所していなければならない」というイメージを持つ方もいるかと思いますが、老健はそうではありません。
なぜショートステイより短期間入所なのか
老健へ入所すると、リハビリを行えます。
長期間ショートステイを利用すると、運動機能は低下してしまう恐れがあります。
しかし老健へ入所すれば週3回以上リハビリスタッフとのマンツーマンのリハビリが可能です。
かつ入所の前後に自宅を訪問し住環境の確認をするので、実際に生活する環境に合わせてリハビリを行うことができます。
こちらの記事で、老健におけるリハビリについての説明をしております。ぜひご確認ください。
支給限度基準額を気にしない
退所したその月は、限度額を気にする必要が無い!
介護保険の支給限度基準額は、居宅サービスを利用する場合に適用されます。
介護保険施設へ入所している間は、支給限度基準額を考える必要がありません。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
区分支給限度基準額(単位) | 16,750 | 19,705 | 27,048 | 30,938 | 36,217 |
自宅で生活している場合、通常は30日間で区分支給限度基準額の範囲内でデイサービスなどの利用が可能となっています。
しかし老健から退所したその月は、残りの日数だけで区分支給限度基準額を使うことができるのです。
例えば、普段は福祉用具のレンタルやデイサービスを週3回などで限度額がいっぱいとなっている場合でも、老健を退所したその月はデイサービスの利用回数を週5回などに増やせる可能性があります。
ショートステイと老健、どっちがおススメ?
では具体的に何日以上ショートステイを利用する場合には老健への短期間入所を検討すると良いのでしょうか。
介護度にもよりますが、ショートステイ以外のサービスを利用することも考えると
15日程度
が良いでしょう。
それ以上の日数ショートステイの利用を希望する場合は、一か月間の老健への入所をお勧めします。
老健へ入所すれば、
- 住環境に合わせて最大週5回の身体的リハビリが可能
- 入所月と退所月は、普段よりサービス量を増やすことができる
介護サービスは上手く使うものです。
自宅での生活を少しでも長く続けられるよう、ご活用ください。
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