こんにちは。複業するフクシです。
私は普段、介護老人保健施設=老健(ろうけん)で相談員として働いています。
老健は一般的に中間施設と呼ばれており、要介護状態の高齢者が一時的に入所し、再び自宅で生活することを目指して療養生活を送る施設です。
今回のブログでは、老健への入所を検討している方や老健への就職を検討している方向け!老健を選ぶ際のポイントについて紹介します。
なおそのほかの介護保険施設についてはこちらのブログで紹介しています。良ければご覧下さい。
また下記リンクでは、特養へ入所申し込みを検討する際に考えるべきコツが紹介されています。合わせてご確認ください。
そもそも老健とは?
老健は、介護保険における要介護度が1~5と認定された方が入所できる施設です。
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上図のように
- 病院は退院できるけど、自宅での生活にはまだ不安がある方
- 入院するほどではないけれど、自宅での生活に不安を感じ始めた方
が一時的に入所し、再び自宅での生活を送ることを目的にリハビリなどを行っていただきます。
自宅での生活を再開した方でも再びリハビリが必要な状況になれば、再入所してリハビリを行い、再度在宅復帰を目指す…という老健と自宅を行ったり来たりする生活も可能です。
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老健の種類は全部で5種類
老健は、在宅復帰をする方が多い施設から順に
①超強化型②在宅強化型③加算型④基本型⑤その他型
の5種類に分けられます。
一般的には、
- 在宅復帰をする方が多い施設の方が、リハビリが充実している
- 在宅復帰をする方が多い施設の方が、入所期間が設定されている
- 在宅復帰をする方が少ない施設の方が、長期間の入所がしやすい
- 在宅復帰をする方が少ない施設の方が、待機期間が長い
と考えて頂ければと思います。
老健でのリハビリ
老健は、介護保険制度上リハビリテーションを実施する施設と位置付けられています。

老健に所属するリハビリ専門スタッフは、
- 理学療法士…歩くことなど足のリハビリ
- 作業療法士…持つこと、書くことなど手のリハビリ
- 言語聴覚士…食べること、話すことなど口のリハビリ
の3職種がいます。
しかし言語聴覚士は採用していない施設や、理学療法と作業療法の境界があいまいな施設は多いです。
リハビリの回数
超強化型と在宅強化型は週3回、加算型と基本型およびその他型は週2回のリハビリの機会が設けられています。
個別リハビリという入所者と理学療法士等が一対一でやるリハビリのほか、入所者複数名と理学療法士等数名で行う集団リハビリも実施されます。
短期集中リハビリテーション
その他型以外の老健では、短期集中リハビリテーションを受けることが可能です。
条件は
- 前3か月の間に老健への入所歴がない
- 入所から3か月間のみ実施が可能
内容は
- 1回20分以上週3回以上の個別リハビリ実施
- 約240円/日の費用負担が発生
となっています。
施設の勤務体制にもよりますが、入所してから3か月間は最大毎日20分のリハビリを受けることが可能です。
入所期間は本当に3か月?
老健は、病院の様に入所期間が制度上定められているわけではありません。
一般的に「入所期間は3か月」と言われることが多いですが、これは施設が独自に設けています。
なぜ期限を設ける施設があるかというと、先述の短期集中リハビリテーションが行えなくなるからです。
ちなみに3か月自宅で過ごして再入所すると、再び短期集中リハビリテーションを行うことができます。
在宅期間はその老健の通所リハビリテーションや短期入所療養介護をうまく活用することで、入所期間も合わせて年間通じてリハビリを多く行うことができます。
老健は多職種協働
老健は、様々な職種が勤務しています。
医師、看護師、介護職員、薬剤師、管理栄養士、調理員、事務員、そして私の支援相談員…などなど。
この多職種で、在宅復帰に向けて支援をします。
退所時には本人やご家族に向けて体の動かし方や薬の飲み方、調理の仕方などといった在宅生活の指導を行っています。
飲み忘れを防止するには、お薬カレンダーの使用が良いでしょう。
高齢者は嚥下機能(飲み込みの機能)が低下する方が多いです。そのような方が在宅復帰する時には、メニューや調理法について管理栄養士から指導することもあります。
しかし現実的には、毎食ご家族が料理することは負担になりますよね。
今は全国どの地域にも配送が可能な冷凍の宅食の利用も可能となっています。

そのほかの介護サービスをうまく組み立て、適度に休憩しながら在宅生活を送れるよう、プランを立てることをおススメします。
老健の選ぶときのポイント
老健を選ぶ際にポイントにしていただきたいのは、老健に対して何を求めるか、です。
- 一時的な入所とその間のリハビリを希望するのであれば、加算型から超強化型老健が良いでしょう。
- 自宅で生活できるかリハビリしながら見極めたい場合は、加算型あるいは基本型老健が良いでしょう。
- 要介護度は低いけど特養の様に長く入所できる施設が良ければ、その他型老健が良いでしょう。
一般的には超強化型ほど要介護者の入れ替わりが激しく、その他型ほど入れ替わりは少ないです。よって、申し込んでから入所できるまでの期間もそれに準ずると思ってください。
また入所の相談をした際に、入所期限の話が出たら加算型から超強化型の老健と思ってもらっても良いかと思います。
「そんなこと言われても、どこが超強化型かなんてわからないよ!」
という声が聞こえてきそうですが…これはずばり入所相談の時に
「あなたの施設は超強化型ですか?」
と聞いても良いかと思います。
また、いくつかの施設に申し込むことを前提として
「私はあなたの老健に‟ここ”を望んでいますが、それは可能ですか?」
と聞いてみることも良いかもしれません。
少しでも長い期間在宅生活が続くためにも、「たまに施設」として老健を活用してみてはどうでしょうか。
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