皆さんこんにちは。複業するフクシです。
私は普段、介護老人保健施設で相談員として働いている社会福祉士です。
さて、【介護保険負担限度額認定証】という言葉、ご存じでしょうか?
介護保険施設では、入所する要介護者の世帯収入・資産状況に応じて利用料金が減額される制度があります。
特養や老健は比較的安価に生活することができますが、それでも「おばあちゃんの年金は月6万だから、費用が全然足りないよ」という声はよく聞きます。
今回はそんな方々に向けて、活用できる公的制度を紹介します。
介護保険施設とは
介護保険施設とは、介護保険制度を使って入所する施設です。
特別養護老人ホーム(通称:特養)や介護老人保健施設(通称:老健)などの施設のことをさします。
詳しくは、こちらをご覧ください。
したがって有料老人ホームやケアハウスなどに入所される場合は、この制度を利用することができません。
介護保険負担限度額認定証とは
介護保険施設の利用料は、以下の4つから成り立っています。
- 介護保険自己負担分
- 食費
- 居住費
- 日常生活品費等
この中で介護保険負担限度額認定証の制度の適用となるのは、2.食費と3.居住費です。
制度利用となる対象者は、住民税が非課税の世帯の方のみです。
そして下記の図のように、所得と資産の状況によって第2段階~第3段階②の間に分けられます。

なお第4段階に該当する方は住民税が課税世帯の方、第1段階の方は生活保護の方となっています。
第4段階の各費用につきましては基準費用額を採用しておりますので、実際に入所を検討する施設により異なりますのでご了承ください。
住民税が非課税世帯ってどんな世帯?
まず住民税とは、都道府県民税と市町村民税のを合わせていう語です。1月1日時点で住んでいる地域に対して納める税金のことで、前年分の所得等をもとに算出されます。詳しくは総務省のホームページをご参照ください。
そしてこれは私の経験上ですが、住民税が非課税世帯の方=自営でお店をやられていた方や農家だった方が大半です。また、専業主婦だった方の多くも該当するかと思います。
3階建ての年金制度のうち1階部分しか受給していない方は対象となりますが、会社員として給与所得を得ていた方は2階部分の厚生年金も受給しているため、対象とならないでしょう。
また、令和3年8月から資産要件が厳しくなりました。資産があるとの理由で令和3年8月から非該当となってしまった方もいますが、預貯金が少なくなると再び該当しますのでその場合は再度申請をしてみて下さい。
どれくらい安くなるの?
では実際いくら安くなるのでしょうか。
まずは、一日当たりの費用差です。
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そしてひと月当たりの費用差のおおよそです。
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いずれも基準費用額から算出しておりますので、実際に入所する施設とはずれがあるかと思います。ご了承ください。
申請するには
申請する場合は、住民票上の住所がある市区町村の介護保険課の窓口までお申し出ください。
その際、
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 同意書
- 通帳の写しや有価証券など預貯金等資産の状況を証明するもの
を持参するようにしてください。
なお住民税は、世帯単位で課税か非課税かが決まります。(義)両親と同居しており世帯に給与所得を得ている会社員の方がいる場合は、事前に世帯分離をしておくことをおススメします。
まとめ
介護保険施設の入所費用は、公的制度を利用することで安く抑えることができる可能性があります
【介護保険負担限度額認定証】
の制度を利用するには、
- 世帯全員が住民税非課税であること
- 預貯金が多くないこと
が条件です。
農家だった方、自営業だった方は対象となる可能性が非常に高いです。
必要に応じて事前に世帯分離をすることも視野に、市区町村の介護保険課の窓口に申請をしてください。
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