皆さんこんにちは、複業するフクシです。
介護老人保健施設で支援相談員として勤務しながら、ブログで福祉に関する情報発信をしております。
さてこのたび、「人を理解し、人を動かす NLP」という本を読みました。少し衝撃的なタイトルではありますが、NLPのテクニックを使えば円滑にコミュニケーションを図ることができる!と感じたのは確かです。対人援助職である福祉関係者の方にはぜひ手に取っていただきたいと思ったので、紹介いたします。
- 書名:人を理解し、人を動かす NLP
- 著者:堀井 恵、堀口 紫
- 出版:株式会社河出書房出版(2011/3/20)
NLPとは
本の紹介をしていく前に、まずはNLPとは何か、ということを確認しておきましょう。
NLPとはNeuro Linguistic Programmingの略で、神経言語プログラミングと訳します。
引用元:日本NLP協会
彼らは、ミルトン・エリクソンという催眠療法を活用してクライアントの悩みや問題の解決にあたっていた精神科医、フリッツ・パールズというゲシュタルト療法の学派を創設した精神科医、ヴァージニア・サティアという家族療法の創始者である心理療法家の3人の天才セラピストの手法を分析し、体系化することでこのNLPという学問を創設しました。
NLPについての詳細は上に引用した日本NLP協会のHPや、著者のお二人が代表と会長を務める株式会社CPI(旧社名:NLP研究所)のHPをご覧ください。
この本を読んだきっかけ
私は介護施設で相談員として働く社会福祉士です。コミュニケーションは仕事をする上で重要なスキルで、施設内の潤滑油を自認している私はもともと、NLPについて学びたいと思っていました。
そして図書館で何気なく書棚を見ていた時に、タイトルに惹かれ手に取ったのです。
いえタイトルというか、「人を動かす」というキーワードに惹かれたのです。
(人を動かすというと、どうしてもD・カーネギーの書籍が頭に浮かびますが。)
本の内容
本書は序章でその内容のおおまかな紹介を行い、その後に続く1~4章の中でNLPの以下4つのテクニックとそのテクニックを元にビジネスで成功した人を事例として紹介しています。
- コミュニケーション力
- 決断・行動力
- 対応力
- 豊かな人間力
以下、要約です。
第一章 効果的なコミュニケーション力を身につけるためのNLPテクニック
コミュニケーションは人との関わりの基本であるが、実際にはミスコミュニケーションが起きてしまっていることが多い。
ミスコミュニケーションが起きる原因は、人がコミュニケーションの場において主に使う感覚が行き違っているからである。
その感覚とは、
- 視覚(Visual=V)
- 聴覚(Auditory=A)
- 体感覚(Kinesthetic=K)
の三種類に分かれているため、相手の感覚(代表システムという)に合わせてコミュニケーションをとることが重要である。
またラポールを架けることもコミュニケーションには大切である。相手の状態に合わせて会話をする「ペーシング」、相手の動作を鏡のように真似る「ミラーリング」、相手の言った言葉を同じ言い方で返す「バックトラッキング」といったテクニックを使うと、ラポールを作り出すことができ効果的なコミュニケーションを生む大きな効果が期待できるのである。
第二章 決断・行動力を身につけるためのNLPテクニック
NLPは人の意識を過去ではなく未来に向かう状態に変える考え方がある。過去よりも未来に向けて進むことができるようになると、その場その場で何を優先すべきか感覚的に判断できるようになり、決断力を鈍らせる迷いがなくなるのである。
またこの考え方が身につくと、一つの方法に執着することなく発想に柔軟性が加わるため、行き詰っても次々に新しい可能性に向かっていくことができるようになるのである。
目標が達成できない場合は、問題に焦点を当てる「カウンセリングメソッド」を用いて目標達成を阻むものが何かを追究し、さらに「8フレームアウトカム」を活用することで目標がより明確にかつ具体的になり、ゴールの設定が可能となるのである。
そしてウォルト・ディズニーが成功を収めた秘密をNLPの観点から分析し、再現できるようにテクニックとしてまとめた「ディズニー・ストラテジー」を活用できると、夢がより実現へと向かうだろう。
第三章 対応力を身につけるためのNLPテクニック
対応力がある人ほど、ビジネスで成功している。対応力がある人とは、柔軟性があり言語マップも広く、問題に直面した時に解決するために必要な目標を瞬時に設定でき、その目標に向かって進む力を持つ人のことである。
対応力を身につけるには、「リフレーム」や「ポジションチェンジ」といったNLPテクニックを身につけると良い。
リフレームとは、ものの見方を変える、やものごとの捉え方を変える、頭の中で違う意味づけをする、といった意味で使われる。リフレームを身につけることができると、被害者意識から抜け出し責任を生きながら、対応力を持って行動できる考え方が身につくようになる。
リフレームでポジティブな意味づけができるようになると、失敗に対する受け止め方も変わりフィードバックができるようになるため、ビジネスの成功へより近づくのである。
ポジションチェンジは、人間関係によって生じたストレスを解消しうるエクササイズである。仕事をしていれば誰しも苦手に感じる上司やお客様がいるが、その相手の立場に立って物事を考えることで、相手の気持ちを理解することができ、苦手だった相手とうまくやっていく可能性が広がっていく。そして人間関係の改善に役立つのである。
第四章 豊かな人間力を身につけるためのNLPテクニック
ビジネスで成功するには人間力が重要で、人間力の高い人間はリーダーシップを兼ね備えている。そのリーダーシップとは従来のトップダウン型ではなく、周囲の意見を尊重しながら目的地までの最適な(Optimum)状況を作り出しつつ行動を促すことができるリーダーシップである。
また、他人から尊敬や感謝をされたり、憧れを持ってみられている状態を、NLPでは「カリスマ性」と呼んでいる。人は誰しもカリスマ性を持っており、人間力を発揮するには自己のカリスマ性に気づくことが大切である。
NLPには「COACHステート」というエクササイズがある。COACHステートを身につけるとりーらーシップやカリスマ性といった人間力を高めることができ、それまでの自分を超えた何かを人に提供できるようになることで、ビジネスの成功者になることができるのである。
COACHは以下の頭文字をとってつけられたもので、ステートとは状態という意味である。
- C…Centered=自分の中心と繋がる
- O…Open=心が開いている
- A…Awareness=何が起きているか、気づいている
- C…Connected=意識がつながっている
- H…Holding=包み込む
以上のステップの段階を踏むことでCOACHステートが自分の中で確立すると、自己肯定感が高まり意欲的になり、前に進んでいくことができるのである。
言動を一致させるという意味の、「Walk your Talk」のコンセプトも、人から尊敬されるリーダーとなるには欠かせない。そして人から尊敬を集めるには、まずは自分から人を尊敬しよう。仲間の尊厳を認めよう。
自分の正直な気持ちを言葉にし、相手の話をよく聞くこと。そして、相手を理解して受け入れること。これらは人間力アップに欠かせない大切な要素です。これまで紹介したNLPスキルを、あなたの生活を向上させる手段として生かしてください。
まとめ
本書で紹介されているのは、NLPのテクニックの中のごく一部だと思います。
しかしそのごく一部のテクニックが仕事をする上で重要であり、私自身が取り組んでいかなければならないものであると感じました。また既に実践しているテクニックもあり、ビジネスで成功…というとなかなかイメージしにくいですが、仕事をしていく上での方向性は間違っていないのだ、と実感できました。
特に第一章の中にある「相手のコミュニケーションにおける感覚の代表システムを知り、代表システムに合わせてコミュニケーションを図ろう」という点は非常に腑に落ちましたし、相談員という業務を行っている以上は今後実践していく必要性を感じています。
また「人間力を磨け」とはよく言われますが、ではその人間力とは何か、というところが私は今まではいまいち言語化できていませんでした。第四章ではNLPのエクササイズの一つである「COACHステート」が紹介されております。そこに、人間力を高めるヒントがありました。COACHステートの状態となることで、充実した日々を送ることができれば、と思います。
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